3.11を未来の力に。
「あなたが守れる命がある」

全国で自然災害が相次ぎ、かけがえのない命が失われています。

語り部活動により東日本大震災の痛ましい体験を未来を拓く力に変え、
発災後には「皆で助け合ったね」と喜びあえるよう、
皆さまやそのご家族、地域の方々の力をお借りしながら、
災害で命が失われない社会の実現を目指します。

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新型コロナウイルスによりキャンセルが相次ぎ、
語り部活動の存続が危ぶまれています

大震災から10年目を迎えましたが、この3月までに、東北各地の伝承団体で9,000人名以上の予約のキャンセル(3.11メモリアルネットワークによる調査)があり、5月や夏休みの語り部予約も、取り消し・延期が相次いでいます。

伝承団体から「活動の存続が難しくなる」「先が見えない」などの声が出ており、非常に厳しい状況です。「この機会にこそ、次のことをしっかり考えたい」」と前向きに取り組む語り部の皆様を支えてくださるよう、お願い申し上げます。

東日本大震災の教訓を胸に、
「避難できる人」へ

2011年3月11日の東日本大震災から、10年目を迎えようとしています。
3.11の津波による死者・行方不明者が18,428名に対し、南海トラフ地震では、津波による最大死者想定は16万人。
「全員が10分以内に避難開始(即時避難)」により7万人にまで減らせるとされていますが、全員が即座に避難行動をとっても7万人がなくなる災害。その恐ろしさが良くわかります。
 私たち一人ひとりが「避難できる人」へ変わってゆかないと、この数字は減らせません。

「ここにきて初めてわかった・・」
語り部による伝承で伝わること

3.11後、被災各地で自然に生まれた「語り部」。
地震発生から津波到達まで、30分~1時間程度の避難時間があり、
地震後にすぐ避難していれば、もっと多くの命が助かったはずでした。

「誰一人、同じ思いをしてほしくない」と、救えたはずの命の尊さ、
当たり前の日常のかけがえなさを、身をもって伝えています。

東北各地に整備される震災遺構や祈念公園で、語り部による心のこもった活動の継続が求められています。

経験者だからこそ、伝えられる重み

あなたの街にもいつか起こる自然災害。
家族や学校、職場での避難や連絡方法話し合いを、つい明日へと伸ばしてしまったり、
避難勧告等が出ても「何も起こらないだろう…」と日常生活を続けたりしていませんか?

3.11の前にも、私たちには、多くの準備が出来たはずでした。
被災者の重い経験が心に響くことで、災害に備える意義を真剣に捉え直してもらうきっかけとなります。

「語り部」で心が動く、体が動く

毎日を全力で必死に生きなければ

​語り部さんの話を聞いた。険しい当時の状況を聞く中で「残された私たちには一瞬一瞬を全力で生きていかなければならない。」と私たち生徒に熱い眼差しで言った。
かつて私は生きる意味について悩み、どうして人間が存在するのかなど、誰にも分からないようなことまで考えた。そんな時にこの言葉を聞いて、ご不幸にあわれて、生きたくても生きられなく、苦しい思いをした人が沢山いる。その人々の思いを無駄になんかできない。毎日を全力で必死に生きなければならないと心から思えるようになった。
(高校生・宮城県内陸部)

一瞬一瞬を懸命に

事前に調べてはいたものの現地に行くとあまりの凄惨さに胸が苦しくなりました。
たった一瞬の出来事で「あたりまえ」は崩れてしまう。そして日々「あたりまえ」の連続だったなのだなと感じました。だからこそ、一瞬一瞬を懸命に生きていくことが残された私達の使命なのかなと思います。
自分は未来を担う世代として宮城県民として、震災で亡くなった方々の思いも背負って、「あたりまえの日常」を紡いでいきたいです。私の力は小さいけれど,それが被災した方々へ私ができる ことです。
(高校生・宮城県内陸部)

防災意識を強く改めるきっかけに

​「こんなところまで浸かっている なんて信じられない。」

実際に街歩きをして感じたことは、自分が歩いているところまで波が押し寄せてくる気配が全然ないということです。でも、実際に波が押し寄せてきたのは紛れもない事実であって、ここには波が来ないという主観的な憶測がいかに怖いことであるかを肌で感じました。
自分自身の防災意識を強く改めるきっかけになりました。
(大学生・九州)

ネットワークへの支えを

被災者の追悼と災害体験の伝承をはかるために、「3.11メモリアルネットワーク」が設立されました。行政だけに任せるのではなく、被災地と被災者が核になって、被災地の思いをつなぎ、安全で安心できる社会をつくる橋頭堡になる組織です。

追悼と伝承をはかるのは、何よりもまず被災地の役割ですが、その被災地の取り組みを国民全体で支援し、一緒になって災害を風化させないようにすることが大切です。

そのためには、ネットワークの取り組みを支えるための基金づくりに、みんなで取り組んでゆくことが欠かせません。この3.11メモリアルネットワークに、温かい心のある人は伝承への思いを、少しばかり財力のある人は基金を、お寄せくださるようお願いします。

兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科長
室崎益輝

阪神・淡路大震災で何もできなかった反省から

阪神・淡路大震災の時は、同級生が被災したのに自分では何も行動できず、倒壊した街並みのニュース映像を、現実感もなく眺めているだけでした。

その後、ハイチ地震や東日本大震災に対してボランティアやNPOとして支援してきたつもりでしたが、発災後に精一杯努力しても遠方の第三者には救える命に限りがある一方で、東日本大震災後では「すぐに歩いて避難」できてさえいれば、多くの方々の命が助かったことを痛感しています。

どれだけ地位やお金があっても、台風や豪雨は予報が出てから数日間、津波の場合は地震から到達までの時間(短い場合は数分間)で命を守る行動をとらなければ、全てが失われてしまいます。
3.11を経験した語り部さん達の声が届くことで、日本全国の心構えが変わってゆくことを信じています。

3.11メモリアルネットワーク事務局長 中川政治

未来の命を守るための、3.11メモリアルネットワーク基金

3.11メモリアルネットワークは会員450名、65団体を超える連携組織です。
東日本大震災の伝承活動を行う個人・団体・震災伝承拠点をつなぎ、
災害で命が失われない社会を実現するため、基金を募っています。

東北に多くの方々が防災を学びに来てくださっていますが、
日本全国の皆さまに、地域を超えて世代を超えて伝えてゆくには、
時間も、人も、仕組みも、足りていません。
東北から日本全国に向けて過去に向き合い未来へ備える力を育むため、
3.11メモリアルネットワーク基金に、ぜひ、力を貸してください。

※事務局を務める公益社団法人3.11みらいサポートへのご寄付は税制優遇の対象となります。

災害で命が失われない社会のために

阪神・淡路大震災、東日本大震災と、大災害が起きるたびに防災対策が向上する一方、相次ぐ災害で、命が失われ続けていることも事実です。
これを読んでくださっている皆様に、お願いです。
あなた自身やあなたの大切な人たちの命が守られるよう、家族や組織で避難方法を決めたり、命を守る方法を話し合ったりして、次の災害からは、一人でも多くの命を守ってもらいたいのです。

命は、お金に換えられません。災害から命を守るための活動に賛同いただければ、東北被災地での活動にご支援いただければ幸いです。

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